INVITATION

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 2009年7月22日、トカラ列島を中心に観測できる今世紀最長の皆既日食がやってきます。<太陽>と<月>がぴったりと重なる皆既日食は「宇宙の中の自分」をダイナミックに実感できる希少な天体現象で、特に今回、トカラ列島の悪石島近海では、今世紀最長の約6分半の観測ができることで、世界中から注目を集めています。

 私達「太陽と月の祭り」実行委員会は、この日に照準をあわせ、9年の歳月を使って皆既日食とボアダムス、そしてそれを取り巻く人々との交流、イメージングを続けて来ました。

長い長い旅を続け、最後にたどり着いたのが、このルーシー号でした。

この船には約50人程のスタッフと、参加してくれるあなたを含め、333人のゲストが乗ることになります。そして、この約400人が、7月20日から23日までの3泊4日を、同じ船の中で過ごす事になります。

乗船していただく前に、私達が辿ってきた道程をお話しなければならないと思っています。それは、ここにたどり着くまでの物語を、この船に乗って一緒に日食を見るあなたと共有してこそ、ようやく全てのセットが整うと考えるからです。

 1999年の12月31日。私達の内の数名が、沖縄県の最北端の辺戸岬で「SUN SHINE SHRINE IN OKINAWA」という、ミレニアムのカウントダウンパーティーをオーガナイズしました。「次の千年期の初まりの日の日の出を沖縄でボアダムスと!」というインスピレーションに導かれ、3ヶ月のロケハンと地元の人々の協力を得、この時期独特の悪天候により、この年から遡って10年間も見ることの出来なかった初日の出も、ボアダムスのライブと共に、しっかりと迎ることが出来て、パーティーは幕を閉じました。

このパーティー後の余韻の中、「2009年7月22日… 皆既日食が来る!またこのメンバーで集結するべく、今から準備を開始しよう!」と誓い、一つのイメージが走り出したのです。

その後、奄美大島にボアダムスのYOSHIMIと共に何度かロケハンに行きましたが、紆余曲折の末、奄美大島を諦めざるを得なくなってしまいました。が、しかし、今回の日食の醍醐味は、今世紀最長の日食だという事を思い直し、心はおのずと中央皆既線上のトカラ列島に傾いて行きました。

2006年春、再びYOSHIMIと共に中央皆既線上に一番近いトカラの島、悪石島に上陸し、離島という特殊な環境の中で、たくましく豊かな生活をしているトカラの人々の現状を知りました。

島の人々は私達を温かく迎えてくれ、私達の計画をじっくり、時にはアイデアを出しながら「もしかしたらこの日食が、トカラにとって、島外の人々からの大きな注目を集めるきっかけとなるかもしれない」と目を輝かせて聞いてくれました。

しかし、ここで村役場は日食時の混乱を避けるべく、某旅行代理店との独占契約を結び、日食に纏わる全てのことを、この一企業に託すという決断をしたのです。途方にくれていた頃、私達の活動を聞きつけてくれた悪石島の隣の島、諏訪ノ瀬島の有志の方が「諏訪ノ瀬でそのお祭りをやるべく一緒に動かないか?」と持ちかけてくれ、さっそくスタッフ数名が島民全世帯の前でこの試みをプレゼンしてみたのです。その結果、島の方々の後押しを経て、役場に押してくれる事となりました。

この頃、スタッフの一人が結婚を期に、トカラで生活してみようと、東京から悪石島に移住し、トカラの人達となんとか日食時にお祭りが出来ないかと、その可能性を探り始め、同時に島での生活を通して、トカラ列島を多くの人に知ってもらうべく、悪石島での生活を綴ったブログを立ち上げました。

その後、トカラを紹介するNPO団体「トカラインターフェイス」の主催する、『トカラ・食の文化祭』を、2008年11月と、2009年3月に島の人たちと合同で諏訪ノ瀬島にて開催しました。

 この『トカラ・食の文化祭』では、トカラの伝統食や特産品を、多くの人にも知ってもらうため、島民と島外双方からの参加者が交わり、列島の独自の自然や文化への理解を深めてもらい、トカラの特産品や食文化等、まずは外部からトカラを知ってもらう良い機会を作ろうとイメージしながら奔走しました。それと同時に、皆既日食当日のお祭りのイメージを、島の人達や外部からの参加者にも具体的に提示でき、共通のビジョンを持ってもらう良いきっかけになりました。

また、その活動の中から、これまでに島の薬草を使った『トカラーゼ』の商品化、販売など『島に根ざした新たな産業』を生み出すことにも成功しました。こうして皆既日食をきっかけに始まったこの試みが、新たな雇用を生むことで、トカラの魅力に魅せられた若者の流入、入植が始まれば、過疎という離島の抱える大きな問題の解決にも貢献できると考えたのです。

しかし、村役場と前出の企業との方針として、混乱を少しでも防ぐ為に、7月22日に私達がお祭りを開催することが、かなり難しくなりました。島の人たちも役場との関係上、これについてはなかなか口を挟めない状態だという事がわかり、食の文化祭は続けるものの、日食当日の開催は、諦めざるをえなくなりました。

もう日食当日に、トカラでお祭りはできないのか?今まで作り上げた島の有志の人達とのイメージを、当日は実現できないのだろうか?このチャンスを島の未来に活かすために私達ができることは?!

 日食に注目する人々の多くが、その予定を決めた5月に入った頃、諦めかけていた私達のもとに『ロシア船籍・ルーシー号』による、このツアーの話が、突然舞い込んできました。

 不思議なことに、トカラ海域の中央皆既線の真下で皆既日食を観測するのは、このルーシー号のクルーズツアーのみだという事も分かりました。

ルーシー号は、毎週、ロシアから富山県の伏木港に就航している船で、ウラジオストクと富山を毎週一回づつ往復している船です。カポタージュ条約に対して日食特例措置ができ、国外の船でも日食を追って航海(サービス)を行ってもよいことになりました。ルーシー号は、福岡県の博多港から、トカラ列島の悪石島付近まで行き、中央皆既線上で日食を追いかけることが出来るという、またとない航路を実現できる船です。
よりFUNKYで、GROOVYな場を作るために、参加していただく皆さんのアティチュードは・・・・・

「NO SPECTATOR!」

傍観するだけではなく、一人一人がオーガナイザーとして、クリエイターとして楽しんでもらう事で、この3泊4日の旅を、船上の400人全員で創り上げるVISIONを持っています。

イメージこそすべて!