TOTAL ECLIPSE

2009年7月22日10時56分。日本で今世紀「最高」「最大」の『皆既日食』がトカラ列島・悪石島を中心に舞い降ります。「最高」「最大」なのは皆既日食の継続時間が今世紀最長なのと、日本で皆既日食が見られるのは46年ぶり、皆既日食が見えるエリアは梅雨が明けて晴天率が高く空気が澄んだトカラ列島だからです。今回を見逃すと次に日本で皆既日食が見られるのは26年後の2035年9月2日に中部・関東地方の一部。世界のどこかで数年に1度はおこっている皆既日食は、太陽を巡る地球と地球を巡る月の関係から、場所やタイミングによって観測できる長さは変わりますが、今回のような約6分半にもわたる皆既日食を地球上で観測できる、このクルーズツアーが「一生に一度のスペシャルな体験」になるのは間違いありません。

すでに御存じの方も多いと思いますが、皆既日食の直前直後の短い間に、地表面を移動していくさざ波のような帯状の影を「シャドー・バンド」すなわち“影の帯”と呼びます。地表面で暖まり上昇した空気は、上空で冷たい空気と接触し、境界面を作ります。その境界面にぶつかった太陽の光は、反射してキラキラした影の帯になるのです。この現象は地表が十分に暗くなる皆既日食でしか観測することができません。シャドーバンドの影の帯は、地球表面をミラーボールの光のようにキラキラと移動し走り抜けます。動物達はパニック状態になり、太陽がすっぽりと月に隠されたとき、月の影のまわりには、太陽から放射されるコロナと呼ばれる光の波が浮かび上がります。そして皆既終了直後、太陽が月の影から再び現れる部分が宝石のようにひと際強く輝き「ダイアモンド・リング」と呼ばれる光の指輪が現れるのです。

それは宇宙の絶対的なバランスの中で地球と共に自分が存在していることをリアルに体感できる希少な瞬間です。

現代日本人の宗教観にも大きな影響を与える「古事記」の中には「天の岩戸伝説」が残されており、天照大御神が天の岩戸に隠れるその神話からは「皆既日食」を想像せざるをえません、そしてその記述によれば、天の岩戸に隠れてしまった天照大御神に困った神々は賑やかな宴をひらいて天照大御神を誘い出 そうとするのですが、その時に神々を沸かせたのはアマノウズメノミコトによる裸踊りだったそうです(笑)
船上での裸踊りは少々過激ですが・・・この船上のスタッフと333人のクルー全員で、天照大御神を再びこの世界に招き入れ、新たな世界をクリエイトしましょう。